50代IT人材の転職希望者が3年で約2.9倍に、「フルリモート」求人はピーク比約30%減少、出社回帰の傾向か
IT人材転職市場レポート

「日本を、IT先進国に。」をビジョンに掲げるレバテック株式会社 ( https://levtech.jp/ ) は、「IT人材の正社員転職市場動向 2025年6月」を発表します。本記事では、レバテックのデータをもとに、IT人材の転職市場における需給の変化を公開します。
Summary
※記事は以下からもご覧いただけます。
https://levtech.jp/partner/guide/research/detail/392/
IT人材の転職希望者数は前年同月比127%、50代の転職希望者は3年で約2.9倍に
IT人材の転職希望者数は前年同月比127%と、引き続き増加傾向にあります。特に50代の転職希望者数は、直近3年で約2.9倍にまで拡大しており、世代を問わず転職への関心が高まっていることがうかがえます。
2025年4月施行された「高年齢者雇用安定法」の改正によって65歳までの雇用機会確保の義務が強化されたことも追い風となり、50代以上の転職市場は今後より一層拡大していくと見込まれます。


求人倍率は11.2倍、IT人材の正社員求人数は前年比152%で採用競争が加速
2025年6月時点におけるIT人材の転職求人倍率*1は11.2倍と、依然として高水準を維持。正社員求人数は前年同月比152%と大幅に増加しており、企業の採用活動が一層活発化していることが分かります。
厚生労働省が発表した「一般職業紹介状況(令和7年5月分)」*2によると、全業種の有効求人倍率は1.24倍にとどまっており、IT分野の人材不足は他業種と比較しても際立って深刻な状況にあります。

*1 求人倍率の定義
【算出式】求人倍率=求人数÷転職希望者数
【求人数】レバテックのエージェントサービスで募集中の中途採用求人数
【転職希望者数】レバテックのエージェントサービスで正社員転職を希望している利用者数
*2厚生労働省「一般職業紹介状況(令和7年5月分)」について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59035.html
生成AI関連求人は29.7倍に増加、ChatGPT登場から2年半で急拡大
ChatGPTが一般公開された2022年11月と比較すると、生成AI関連*3の求人は約29.7倍に急増。中でも「プロンプト設計」や「大規模言語モデル(LLM)」の活用・評価・改善、社内データとの統合などのスキルを求める求人が目立っています。
業務効率化やプロダクト開発において生成AIの導入が進む中、高度な自然言語処理スキルを持つ人材へのニーズは今後さらに高まると予想されます。

*3 生成AI関連:「Copilot, GPT, プロンプトエンジニア, 生成AI, 大規模言語モデル, LLM」のいずれかを求人名、仕事内容、要求スキル(必須・尚可)のいずれかに含む求人
「フルリモート」求人はピーク比約30%減少、出社回帰の傾向か
2020年の新型コロナウイルス感染拡大をきっかけに急増したリモートワークですが、「原則出社」の求人は、2023年6月時点から僅か2年で約3.4倍に増加しました。一方で、「フルリモート」の求人は、2023年6月のピーク時から29.5%減少しており、出社回帰の動きが強まっていることが見て取れます。
リアルな対話や現場でのOJT、チーム間の迅速な意思決定を重視する企業が増加しており、プロダクトの品質確保や組織運営の最適化を目的として、出社勤務を再導入する動きが広がっていると考えられます。

▼レバテックで対応する全スキル・職種の求人倍率はこちら▼
https://levtech.jp/files/doc/engineer_creator_jobs-to-applicants_ratio_202506.pdf
<執行役社長 泉澤からのコメント>
IT人材の転職市場は今、大きな転換点を迎えつつあります。企業の採用意欲は年々高まり、正社員求人倍率は11倍を超えるなど、採用競争は激しさを増しています。加えて、これまで中心だった20〜30代に加え、50代以上のベテラン層の転職希望者が3年間で約2.9倍に増加。豊富な経験と知見を持つ人材へのニーズが着実に高まっています。
また、生成AIの普及に伴い、プロンプト設計や大規模言語モデル(LLM)活用といった新たな専門性が求められるようになり、キャリアの選択肢は一層多様化しています。さらに、リモートワークの定着とともに「出社回帰」の動きも見られ、働き方の多様化も新たな局面を迎えているといえるでしょう。
こうした変化の中で企業に求められるのは、スキルだけでなく、価値観やライフスタイルを含めた「多様な人材との向き合い方」です。レバテックは、個人と企業の最適なマッチングを支援することで、IT人材が最大限に力を発揮できる社会の実現に引き続き貢献してまいります。