フリーランス案件発生数が前年同月比146%で過去最高「セキュリティ」人材需要高まる
2024年6月のITエンジニア・クリエイター 正社員転職/フリーランス市場動向
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「日本を、IT先進国に。」をビジョンに掲げるレバテック株式会社( https://levtech.jp/ ) は、「ITエンジニア・クリエイター正社員転職/フリーランス市場動向 2024年6月」を発表します。レバテックのデータを用いて、ITエンジニア・クリエイターの正社員転職/フリーランス市場における需給の変化を公開します。
本文はこちらからもご覧いただけます。
https://levtech.jp/partner/guide/research/detail/287
Summary
ITエンジニア・クリエイターの正社員求人倍率、10.2倍と高水準続く
2024年6月時点でのITエンジニア・クリエイター正社員転職求人倍率*1は10.2倍でした。正社員求人数は前年同月比111%、転職希望者数は前年同月比145%となり、ともに増加傾向がみられます。
厚生労働省が発表している正社員転職有効求人倍率(1.24倍)*2と比較しても、高い水準で推移しているといえるでしょう。
未経験エンジニアの求人数、前年同月比208%に
ITエンジニアとしての実務経験を必要とせず、エンジニア未経験から応募できる求人の数は、前年同月比208%の増加となりました。
2024年1月に発表したレバテックIT人材白書*3でも、約4割の企業がエンジニア未経験者を採用していることが明らかになっています。人材獲得競争が激化しているIT転職市場において、経験者採用だけでは賄いきれず、未経験者採用に取り組む企業が増えているようです。
エンジニア未経験の転職希望者も前年同月比221%となり、年々増加が見られます。「手に職をつけたい」や「成長している業界で働きたい」といった理由で、新たな職種へのチャレンジをする人も少なくないのではないでしょうか。
▼レバテックで対応する全スキル・職種の求人倍率はこちら▼
https://levtech.jp/files/doc/engineer_creator_jobs-to-applicants_ratio_202406.pdf
フリーランスの案件発生数が急増、前年同月比146%に
ITフリーランス案件発生数は右肩上がりで推移しており、2024年6月には前年同月比146%で過去最高となりました。
近年では、「〇〇言語での開発経験が5年以上ある方」「特定のクラウドサービスの構築経験がある人材」などといったピンポイントな需要だけでなく、「新規事業における開発組織を立ち上げたい」や「社内の教育リソースを充実させたい」といった、組織の課題ベースでの相談も増えています。スピーディーに開発組織を立ち上げたい場合や、特定の専門的な知見を組織に取り入れたい場合などでは、フリーランスを中心とした外部人材の活用が有効だと考えられます。
フリーランス案件希望者数も引き続き高水準で推移しており、この2年で約1.5倍に増加しています。IT人材の働き方の一つとして、フリーランスという選択肢は急速に広まっていると言えるでしょう。
「セキュリティ」のフリーランス案件倍率、10倍を超える
職種・スキル別のフリーランス案件倍率*4について、2024年6月時点で最も高いカテゴリは「セキュリティ(10.5倍)」でした。案件発生数も右肩上がりで推移しており、チーム体制の強化やセキュリティ戦略立案といった募集が見られます。高い専門性が要求されるセキュリティの領域では特に、自社が抱える課題の緊急度に応じて、フリーランスを始めとした外部人材の活用を検討するケースも増加しているのではないでしょうか。
▼レバテックで対応する全スキル・職種の案件倍率はこちら▼
https://levtech.jp/files/doc/engineer_creator_projects-to-applicants_ratio_202406.pdf
<代表執行役社長 髙橋悠人からのコメント>
IT人材の需要は依然として高い状況が続く中、未経験エンジニアの正社員求人数は前年同月比208%、ITフリーランス案件の発生数は前年同月比146%となり、どちらも右肩上がりの傾向が見られます。正社員での即戦力採用にとどまらず、人材確保の手段の幅を広げる企業も増えていることがわかります。
職種・スキル別では、「セキュリティ」のフリーランス案件倍率が10倍を超え、人材の需要が急速に高まっていると言えます。サイバー攻撃によるサービスの停止や機密情報の流出は、企業のレピュテーションリスクを孕んでおり、一刻を争う重大な問題です。総務省の発表によると、日本では約9割の企業で「セキュリティ対策に従事する人材が不足している」とされている*5他、経済産業省が発表したDXレポート*6でも、「2025年の崖」問題が生じる一つの要因として「保守運用の担い手不足によるサイバーセキュリティ等のリスクが高まり」が指摘されており、被害を未然に防ぐための対策は急務になっているのではないでしょうか。
また、こうした「外部からの専門的な知見の獲得」や「体制強化を目的とした人員の増加」などをスピード感を持って行う必要がある場合にも、フリーランスの活用は有効に働くといえるでしょう。
*1 求人倍率の定義
【算出式】求人倍率=求人数÷転職希望者数
【求人数】レバテックのエージェントサービスで募集中の中途採用求人数
【転職希望者数】レバテックのエージェントサービスで正社員転職を希望している利用者数
*2 厚生労働省 一般職業紹介状況(令和6年5月分)について, 2024
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40905.html(参照 2024-07-18)
*3 2024年1月発表 「レバテックIT人材白書」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000624.000010591.html
*4 案件倍率の定義 【算出式】案件倍率=案件数÷業務委託案件希望者数 【案件数】レバテックのエージェントサービスで募集中の業務委託案件数 【案件希望者数】 レバテックのエージェントサービスで業務委託案件を探しているフリーランスの利用者数
*5 総務省 「5Gが促すデジタル変革と新たな日常の構築」
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r02/html/nd134530.html
*6 経済産業省「DXレポート」
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/pdf/20180907_02.pdf