ITフリーランスの案件希望者数が前年比136%に、2024年11月の「フリーランス新法」施行後、約1.2倍に増加
ITフリーランス市場レポート

「日本を、IT先進国に。」をビジョンに掲げるレバテック株式会社 ( https://levtech.jp/ ) は、「ITフリーランス市場動向 2025年6月」を発表します。本記事では、レバテックのデータをもとに、ITフリーランス市場における需給の変化を公開します。
Summary
※記事は以下からもご覧いただけます。
https://levtech.jp/partner/guide/research/detail/393/
案件希望者数は前年同月比136%、「フリーランス新法」施行による追い風も
ITフリーランス案件への希望者数は、前年同月比136%と大幅な増加が見られました。2024年11月に「フリーランス・事業者間取引適正化等法(通称:フリーランス新法)」が施行されて以降、その伸びは加速しており、施行前の水準と比べて約1.2倍に達しています。
ITフリーランスの案件発生数、前年同月比128%で過去最高を記録
ITフリーランスの案件発生数は右肩上がりで推移しており、2025年6月には前年同月比128%となり、過去最高を更新しました。
最近では、チーム組成からプロジェクト推進までを担うフリーランス人材への需要が高まっており、事業立ち上げや組織構築といった領域でも依頼が増加しています。今やフリーランス人材は単なる即戦力にとどまらず、企業の成長を支えるパートナーとして、その存在感を一層強めつつあるといえるでしょう。
「PM/PMO」「ITコンサル」の案件発生数、前年同月比184%に急増
2025年6月時点の「プロジェクトマネージャー(PM)/プロジェクトマネジメントオフィス(PMO)」「ITコンサルタント」領域のフリーランス案件数は、前年同月比184.1%と大幅に増加しました。特にPMOとITコンサルは、前年の2倍以上に増加し、全職種の中でも高い伸びを見せています。
この背景には、金融・不動産業界を中心に、システムの刷新や業務改革へのニーズが高まっていることが挙げられます。さらに近年では、コンサルティングファームが従来の戦略立案にとどまらず、システム開発や運用支援といったシステムインテグレーター(SIer)のような実務領域にも関与するケースが増加。それに伴い、プロジェクト推進を担うPMやPMO、ITコンサルの需要が一層高まっています。
データ活用領域の案件発生数が急増、「プロンプト設計」「LLM活用」などが伸長
生成AI関連のフリーランス案件は引き続き右肩上がりで増加しており、データ活用領域*1では前年同月比210.3%と急増しました。
とりわけ、学習モデルの評価・改善や社内データとの統合に関するニーズが高まっており、「プロンプト設計」や「LLM(大規模言語モデル)の活用・評価・改善」などの実務経験を持つ人材への需要が拡大しています。加えて、AI倫理やセキュリティといった観点からの設計力も重視されるようになっており、高い技術力にとどまらず、総合的な判断力と実装力を兼ね備えた人材が求められているといえるでしょう。
*1 データ活用領域:機械学習エンジニア、データエンジニア、データアナリスト、データサイエンティスト、BIエンジニアを含む職種
▼レバテックで対応する全スキル・職種の案件倍率はこちら▼
https://levtech.jp/files/doc/engineer_creator_projects-to-applicants_ratio_202506.pdf
<執行役社長 泉澤からのコメント>
ITフリーランス市場は、働き方や価値観の多様化を背景に、着実に拡大を続けています。2024年11月には「フリーランス新法」が施行され、契約内容の明示や報酬支払い期限の設定が発注者に義務づけられるなど、これまで不透明だった契約・取引慣行の整備が進みつつあります。
こうした制度面の変化に加え、直近では企業側のニーズにも変化が見られます。とりわけ、DX推進の鍵となる「PM/PMO」や「ITコンサル」など、上流工程を担える即戦力人材への需要が急増。さらに、生成AI領域ではPoCフェーズを超え、プロダクトへの実装に移行する企業が増加しており、プロンプト設計や社内データ活用のスキルを持つ人材に対するニーズが顕著に高まっています。
今後もITフリーランス人材は、単なるリソースの補完にとどまらず、企業の変革や成長戦略を支える中核的な存在として、その重要性を一層増していくといえるでしょう。