〈イベントレポート〉フリーランス保護新法の施行を前に、女性IT人材のキャリアを考えるイベントを開催
女性とフリーランスの課題と可能性を議論
「日本を、IT先進国に。」をビジョンに掲げるレバテック株式会社( https://levtech.jp/ ) は、11月1日に施行される「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(以下、「フリーランス保護新法」)に先駆け、女性IT人材を対象にキャリアイベント「レバテックMe conference」を10月30日(水)に開催しました。
Summary
全文は以下からもご確認いただけます。
https://freelance.levtech.jp/guide/detail/31857
当日の様子
イベントには、女性フリーランスやフリーランスになることを検討している方約30名が集まりました。イベントは2部から構成され、第1部ではフリーランス保護新法と市場動向の解説、第2部では参加者同士の交流会が実施されました。
第1部では、レバテックフリーランス事業部長の小池 澪奈(こいけ れな)より、フリーランス案件が増加している実態や、「レバテック経由で案件に参画する女性ITフリーランスの約9割が、リモートワークで働いている」といった結果を紹介。また、レバテックの調査では「出産経験のある女性IT人材の約7割が、『フリーランスとして働くことは育児との両立に有効』と回答した*1」ことを発表すると、参加者からは「働く時間や場所を調整しやすいので、キャリアの選択肢として魅力的」といった共感の声があがりました。
さらに、新たに施行されるフリーランス保護新法についての解説も行われました。
続いて、フリーランスエンジニアとして活躍後、現在bgrass株式会社CEO/CTOを務める咸 多栄 (はむ だよん)氏をお招きし、小池とのパネルディスカッションを実施しました。女性IT人材のキャリア形成の難しさに触れながらも、フリーランスをキャリアの一つとして選択できる状況を作ることの重要さについて意見が交わされました。
咸 多栄 氏からは「フリーランス保護新法によって、女性がフリーランスになる上で特に気になっていた妊娠出産への影響がどれだけ払拭されるのかが大きなポイントになる」とコメントがありました。小池もまた、「今回の法施行が、キャリアを改めて考えるきっかけになれば」と述べ、フリーランスの可能性を語ると、参加女性からも多くの共感が寄せられました。
パネルディスカッション後は、第2部として参加者同士の交流会を実施。参加者は働くうえでの悩みを共有するだけでなく、それぞれの働き方の良さについて意見交換を行っていました。「身近に相談できる人がいなかったので、良い機会になった」や「キャリアを見直すきっかけになった」といったポジティブな声が多く聞かれ、終始和やかに情報交換が行われていました。
〈以下コメント〉
■レバテックフリーランス事業責任者 小池 澪奈 コメント
今回のイベントは、「フリーランス」という選択に可能性を感じてもらえればと思い、企画しました。
フリーランス保護新法の施行をきっかけに、日本におけるフリーランスの浸透、労働市場全体の柔軟性や多様性の向上が期待される一方で、解決すべき問題も多く残されているのが現状です。特に出産に伴う女性の離職やビジネスケアラーに伴う経済損失は日本の大きな社会課題となっています。
フリーランスを選択しやすい社会をつくることは、やむを得ない家庭の事情を抱えながらキャリアとの両立を図る方にとっての可能性となり得ると信じています。ITフリーランスがより活躍できる社会の創出を目指し、業界の健全化に向けて今後も尽力していく所存です。
■bgrass株式会社代表取締役CEO/CTO 咸 多栄氏 コメント
フリーランス保護新法の施行により、今後フリーランスという働き方がさらに広がっていくことが期待されます。
女性がフリーランスとして働き続けるには依然として多くの課題がありますが、女性がキャリアの選択肢として柔軟に働く形を決められることが重要だと感じています。
特に、女性はIT業界ではマイノリティのため、近くに相談できる相手を見つけづらかったり、ロールモデル不足によりキャリアへの不安を抱える女性エンジニアは少なくありません。
私もフリーランスから起業する過程で多くの不安がありました。参加者にとって、キャリアの見直しや日々の働き方を考えるきっかけとなれば幸いです。
フリーランスというキャリアを女性も選べるようになることは、多様なキャリアを実現し、自分らしい生き方の形を実現できる一つの可能性となるかもしれません。
女性IT人材のさらなる活躍を応援し、今後も活動の輪を広げていきたいと考えています。
本イベントの取り組みの背景
レバテックは、約20年にわたりITフリーランスの挑戦をサポートしています。その中でもITフリーランスとして働く女性がライフイベントによる変化に対応しながら働き続けるためには乗り越えるべき多くのハードルがあることを間近で見てきました。
2024年11月1日に施行されるフリーランス保護新法では「取引の適正化」を目指すだけでなく、フリーランスの働く環境の整備が進められようとしています。レバテックの調査(2024年8月実施)では、フリーランス保護新法の概要を理解しているITフリーランスは約2割に留まることが明らかになりました*2が、法が十分な効果を発揮するためには各人が法の理解をすることが重要だと考えています。また別の調査では「フリーランスを検討する女性IT人材の6割が、周りに相談できる人がいない*3」との結果が出ています。
こうした背景を踏まえ、フリーランス保護新法について理解し、IT人材同士の交流を広げる場を提供したいと考え、本イベントを企画しました。レバテックでは今後も、フリーランスに挑戦する人やフリーランスとして働き続けることができる人が増えるよう、女性だけに関わらずフリーランスを取り巻く課題に一つずつ向き合い解決していきます。
*1 2024年3月発表 女性IT人材にキャリアに関する調査(後編)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000643.000010591.html
*2 2024年9月発表 フリーランス保護新法に関する意識・実態調査(後編)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000688.000010591.html
*3 2024年3月発表 女性IT人材のキャリアに関する調査(前編)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000642.000010591.html