IT人材が副業を行う目的、「収入アップのため」が約6割
IT人材の副業に関する実態調査(後編)
- フリーランス
- その他
レバテック株式会社が運営するITエンジニア・クリエイター専門エージェント、レバテック( https://levtech.jp// )は、副業を行っているIT人材500名*1を対象に調査を実施しました。今回は前編・中編・後編に分けての発表となり、本記事では後編として「副業を行うIT人材の実態編」をお届けいたします。
調査の全文はこちらからご覧いただけます。
https://levtech.jp/partner/guide/research/detail/272/
Summary
副業での週あたり作業時間は「5時間以上10時間未満」が最多
副業での週あたり作業時間は「5時間以上10時間未満」が最多
副業案件における作業頻度は「週2~3日(35.8%)」が最も多い結果となりました。1週間あたりの合計作業時間は「5時間以上10時間未満(24%)」と回答した方が最も多く、「1時間以上3時間未満(22.2%)」「3時間以上5時間未満(20.4%)」が続きます。本業への影響や支障が出ないよう、日数や時間を調整しながら作業をしている人が多いと言えます。
メインの副業案件獲得手段について、「知人経由」が44%で最も多く、次いで「エージェント経由(34.4%)」となりました。知り合いに直接声をかけられたことをきっかけに副業業務を開始するケースと、エージェントやクラウドソーシングのプラットフォームに登録し能動的に副業案件を探すケースにわかれていることがわかります。
副業を行う目的、「収入アップのため」が約6割
IT人材が副業を行う目的について、1位は「収入アップのため(59.2%)」でした。副業での月収は「5万円未満」が32.6%で最も多い結果となりましたが、月に10万円以上の収入を得ている方も約半数いることがわかります。
副業を行うIT人材の理想の年収について、「600万以上800万未満(20.2%)」と回答した方が最多となりました。現年収との比較では、ほとんどの年収帯において、半数以上の方が現在よりも年収を上げていきたいと考えていることがわかります。現在よりも年収を上げる目的で副業に取り組むIT人材も多いといえそうです。
副業先に対する貢献内容、1位は「客観的な視点の提供」
「副業先企業に対してどのような貢献ができているか」という質問について、1位は「客観的な視点の提供(46.6%)」、次いで「自己が保有するナレッジ・スキルの提供(41.4%)」となりました。
レバテックが9月26日に発表した調査*2 では、企業がIT副業人材の活用に至った理由の1位が「自社で活用できる知見・スキルを習得するため(50.8%)」、2位は「社外からの客観的な視点を確保するため(46.2%)」という結果が出ており、企業が期待しているものと人材が提供していると考える内容は概ね一致していると言えます。
約47%が副業先でのトラブルを経験
「副業先から理不尽な要求を受けた(トラブルを経験した)ことがあるか」という問いに対し、「ある」と回答した人は46.8%でした。具体的なトラブルの内容は「業務の内容・範囲の変更(41%)」が最も多く、「契約期間の短縮や破棄、報酬の減額(36.8%)」「報酬の支払遅延や未払い(32.1%)」が続きます。副業を新たに始める際には、契約内容を事前に取り決め書面に残しておくことや、中立の立場で調整してくれるエージェントを介して案件を受けるなど、予め対策をしておくことが重要になりそうです。
まとめ
今回の調査では、副業を行うIT人材の約6割が「収入アップ」を目的としていることが明らかになりました。副業先への貢献内容は「客観的な視点」や「自己が保有するナレッジ・スキル」の提供という回答が多く、IT人材は本業で培った専門性を活かして副業を行っていることがわかります。
また、副業を行う人材のうち約半数が副業先企業でのトラブルを経験していることもわかりました。2024年より施行されるフリーランス保護新法*3においては、「書面等による取引条件の事前明示」や「業務提供日から60日以内を支払期日とすること」が業務を委託する事業者(企業)に対して義務付けられています。副業人材の活用を検討する企業においても、トラブルを未然に防ぐため、新法の最新動向を確認し社内のルール整備を進めていく必要があるでしょう。
*1 本調査の対象職種(本業):
ITコンサルタント、ITアーキテクト、PM、PMO、データサイエンティスト、機械学習エンジニア、データアナリスト、データエンジニア、SREエンジニア、社内SE、フロントエンドエンジニア、バックエンドエンジニア、ネイティブアプリエンジニア、組込・制御エンジニア
*2 2023年9月26日発表 デジタル化・DX業務におけるIT副業人材の活用に関する実態調査(前編)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000603.000010591.html
*3 正式名称は「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」。今年5月12日に交付され、来年秋までに施行されることが決まっている。
<調査概要>
調査対象:副業を行うIT人材 500名
調査年月:2023年7月4日~2023年7月6日
調査方法:Webアンケート調査
有効回答数:500名
調査主体:レバテック株式会社
実査委託先:GMOリサーチ株式会社